2025/10/31 19:00


額装家・多喜博子がプロデュースする次世代フレーム「アートカプセル」は、単なる「アクリルフレーム」ではなく、作品の持つ魅力を最大限に引き出し、その価値を増幅させる演出ツールです。
今回は、神奈川を拠点に活動されているアーティストyoumeさんの作品を、ニューヨークでの展示という大きな舞台に合わせて、特別なカスタムで額装させていただいた事例をご紹介します。



ポップアップでの出会い:youmeさんの熱意と額装家への期待


アートカプセルの初お披露目となった、今年の5月末の大阪でのポップアップイベント。youmeさんは、「自分の作品をニューヨークの展示会で最高に魅力的に見せたい」という熱い想いを胸に、なんと神奈川から大阪まで車でご自身の作品2点を持ってお越しくださいました。

これは、アートカプセル、そして額装家・多喜博子への非常に大きな期待の証であり、心から光栄に感じています。


ポップアップは、普段オンラインでしか確認できないアートカプセルの品質を見て、触って、確かめられる貴重な場です。事前予約をいただいていたyoumeさんとは、その場で実物の作品とアートカプセルの全色ラインナップを合わせながら、ニューヨークでの展示という明確な目的を共有し、最適なカスタムを一緒にコーディネートしていきました。


 【事例1】繊細な作品に「光沢と強さ」をプラスするカラーカスタム



1点目は、ミントグリーン、ブルー、白の色彩が織りなす、繊細でクールな印象の作品です。

youmeさんの作品はどちらも、テクスチャが非常に特徴的です。絵具の中にレースを貼り付けたり、共に塗り込んだりすることで、凹凸のある独特の表面感を生み出しています。

この複雑で力強いテクスチャに対し、アートカプセルの持つフラットで艶やかな光沢をコントラストさせることで、互いの魅力を引き立て合う効果を狙いました。




選定したカラーは、ネオングリーン(基本色・背面)ネオンラベンダー(側面色)という、ネオンカラー同士の組み合わせです。

このカスタムの狙いは、作品が持つ透明感と自然な色彩のレイヤーを、ネオンカラーの鮮やかな光沢で一層引き立て、展示会場の空間でパッと明るく目立たせることにあります。






特に、ニューヨークの展示会場が自然光も入る空間と伺っていたため、このネオンカラーを選びました。ネオンカラーは自然光を受けると、驚くほど鮮やかに発色し、遠くからでも人の目を引くインパクト抜群の視覚効果を発揮します。




【事例2】愛らしい作品に「大胆さ」と「リズム」を加える変形カスタム



2点目は、ピンクとイエロー、そしてハートがモチーフの、愛らしいながらも力強いテクスチャを感じる作品です。

選定カラーは、ネオンピンク(基本色・背面)アクアグリーン(側面色)という、非常に大胆な対比の組み合わせです。youmeさんと二人でじっくりと悩んで決めたカラーです。



色の効果としては、背面のネオンピンクだけではラブリーになりすぎるところを、側面のアクアグリーンのエッジが全体をピリッと引き締め、優しさの中にポップで大胆な印象をプラスしています。
背面のネオンピンクは、正面から見るとネオンカラーでありながらも、光の反射で非常に柔らかく、優しいピンクに見えるのが魅力で、多喜が特におすすめする色味の一つです。

さらにこの作品には、アートカプセルとして初めてのご依頼となる「菱形(◇型)での設置」という特別なカスタムを施しました。




スクエアのキャンバス作品を斜めに配置することで、作品の見せ方がガラリと変わり、空間にダイナミックなリズムと独創的なアートディスプレイを生み出します。構造上の工夫により、安全に菱形向きに壁に掛けることが可能です。



額装とは、作品の「向きを変える」「色を添える」といった小さな演出で、空間全体を大きく変える力を持っているのです。



1,000通り以上のカスタム! アートカプセルが持つ無限の可能性





今回の事例でご紹介したように、「アートカプセル」は、従来の額縁では難しかった1000通り以上のカスタムを実現できます。
アートカプセルは、以下の3つの部分の色を個別に選択できるため、1,000通り以上のカラーカスタマイズが可能です。

1. 基本色(作品の背景となる背面プレートの色)
2.  側面色(フレームの側面の色)
3.  バックプレートアクセサリ(オプションの背面保護プレート)

作品の色や、設置環境、展示の目的に合わせた特別なフレームの色を自由に作り出すことができ、作家さんのブランディングや作品の世界観を拡張する強力なツールとなります。

正方形や長方形はもちろんのこと、今回の菱形設置をはじめ、作品に合わせた特殊なサイズや変形にも柔軟に対応できるのが、アートカプセルの大きな特徴です。作品を最高の形で「演出」するための制約を、可能な限り取り払っています。



額装家・多喜博子が目指す「アイデンティティの演出」


額装家・多喜博子の役割は、単に作品を保護し飾ることではありません。作品の個性と魅力を最大限に引き出す「演出家」であると考えています。

私は、作家さんと一歩引いた客観的な視点で、作品を深く観察し、以下の4つの要素を複合的に、かつ多角的に分析します。

1.  作品の個性(テクスチャ、コンセプト、テーマ)
2.  作家さんのブランドと想い(作家さんのブランディング要素)
3.  展示空間(設置場所の環境、光)
4.  額装の目的(目立たせたい、高級感を高めたいなど)

これらの要素に共通する最大値を探し当て、作品の個性、作家さんの思い、そして展示の目的に最も適したフレーミングを提案し、実現することが私の役割です。

アートカプセルは、「現代アートを現代の空間に新しさと個性を与える」という新しい思想のもと開発されました。壁掛けだけでなく、そのままテーブルや棚に置ける世代のアートディスプレイとしても機能します。


今回のyoumeさんの事例のように、作品の持つ魅力を増幅させ、人に伝わりやすくさせることで、作家、そしてアートを楽しむすべての方にとって、価値を高めるツールとなることを願っています。

最後に、youmeさんの作品とこの度のアートカプセルのカスタムを愉しんでくださったご縁に、心より感謝申し上げます。


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