2025/12/10 20:33
究極のオーダー「作家さんに選んでもらいたい」
「この作品に合うカプセルの色は、作者の程亮介さんと額装家の多喜さんにお任せします。」
作家さん(アーティスト)を通じて、作品を購入されたお客様のために額装をさせていただくことがありますが、お客様は作家さんのファンでもあるので、作家さんにフレームを選んでもらいたいという思いがあります。
お客様としては「作品を生み出した本人」に委ねたいという、作品への愛と作家さんへのリスペクトに基づくオーダーです。そして、作家さんから私(額装家)へ額装のご依頼とご相談をいただくのは、額装のプロとして信頼をいただいている証です。
今回は、こういったケースで額装家の役割をお伝えしたいと思います。
程亮介氏作『マミーバニー』×アクリル額装

お預かりしたのは、アーティスト 程亮介(てい りょうすけ)氏の『マミーバニー』。 青白い包帯を巻いたウサギのキャラクターが、真っ赤なチューリップを抱えている色彩のコントラストが綺麗な作品です。
私の役割は購入されたお客様が満足し、且つ作家さんが選びやすいように、まず色の選択肢を作ることでした。
お客様のペルソナ、なぜこの作品を選ばれたのか、作家さんとお客様との会話のエピソードをうかがい、お客様が作品を通じて求めていらっしゃることを想像していきます。
額装家が用意した4つの選択肢
作品の中から抽出した色をベースに、私は4つのプランを立てました。

アクアグリーン:お花のみずみずしさを加える。
パープル:落ち着いた色で作品全体を浮かび上がらせます。
レッド:チューリップの赤とリンクしてお部屋のフォーカルポイントにもなる強い演出に。
ネオンラベンダー:軽やかさと新しさを。
これ以外の色も試して見て、色の機能面(演出する雰囲気)や美観のチェックを済ませた上で、選択肢を作家である程亮介氏へご提案しました。
※HPのブログでは、私が提案前に考えたそれぞれの色合わせの意図や、シミュレーションの詳細を公開しています。 ▶︎【制作の裏側】作家様へ提案した「色合わせの候補」をHPで見る
作家さんが最終的に選んだのは「ネオンラベンダー」

程氏が選んだ色は、「ネオンラベンダー」でした。
作品の中に描かれた包帯に使われている紫色とのリンクしている色でもあり、赤いチューリップが生える色です。側面はほぼ透明に見えるので軽やかで、そしてエッジがネオン色に発光するので新しさが感じられる演出に。

作家本人が選んだ色は、ファンにとってこれ以上の正解はありません。
アートカプセルが叶える新しい額装演出

側面のラベンダー色が光を集め、自ら発光しているように輝きます。

アートカプセルは、このように透けていますが紫外線を約90%カットする機能性もあります。
程亮介氏とマミーバニー

デザイナーとしてのキャリアと美大油画科出身という高い技術を併せ持つアーティスト 程亮介氏が描くマミーバニーは、作家ご自身の内面にある乙女な部分をキャラクター化させたもの。繊細でどこか儚げな空気を感じるキャラクターです。
「額装は、作品の解釈である」 そう言われることがありますが、今回は額装家の提案の中から作家様ご自身の選択によって作品の解像度がグッと上がった瞬間でした。
「大好きな作家の作品だからこそ、納得のいく額装をしたい」
「自分では決めきれないから、プロの意見を聞きたい」
そんなコレクター様、そしてご自身の作品を最高の状態で届けたい作家様は、一度ご相談ください。作家さんの制作意図とお客様の想いを汲み取り、作品の魅力を最大化する額装を一緒に考えていきます。

アートカプセルは、規格サイズのほか、フルオーダーでの制作も可能です。まずは作品の画像をお送りいただき、あなたのお悩みをお聞かせください。
