2026/01/13 13:31

こんにちは、額装家の多喜博子です。

今日は、Art Capsule(アートカプセル)のバックプレートを使った、少し特別な制作事例をご紹介します。

オンラインショップでは正方形・長方形のバックプレートを販売していますが
「作品に合わせて、もっと自由に額装していい」—ということをお伝えしたくて、この記事を書きました。

1. 「形」そのものが作品である


今回額装させていただいたのは、アーティスト・マスダ アキラさんの作品です。

この作品の最大の特徴と魅力は、「変形キャンバス」という形状にあります。

通常、キャンバスといえば長方形や正方形が一般的ですが、マスダさんは木枠の段階からご自身で制作し、このユニークな形を作り出しています。

つまり、描かれた絵柄だけでなく、「この形であること」自体が作品の一部なんです。


 「もったいない」という直感

マスダさんとお話しした際、Art Capsule(高品質アクリルフレーム)にご興味をお持ちでした。

作品を美しく保護できる透明なアクリルフレーム。確かに、それは理想的な選択です。

でも、私はその瞬間、ある想いが浮かびました。

「この作品を、ただ四角いカプセルに収めてしまうのは、もったいない。」



せっかくマスダさんが木枠から手作りした、この自由な形。  
それを四角い透明な箱に収めるより、作品の輪郭そのものを光で装飾したほうが面白いのではないか。

作品が持つポップなエネルギーと遊び心を、もっと拡張できるはず。そう考えました。


2. 「作品の輪郭」を光で装飾する

↑ご提案した額装イメージ画像


そこでご提案したのが、「Art Capsuleのバックプレートを、作品単体の壁面装飾として使う」というアイデアです。

本来、Art Capsule(アクリルフレーム)の背面パーツとして使うバックプレート。
これを、フレームケースには入れず、作品と一体化させて壁に掛けることにしました。

作品の輪郭をなぞるように形を設計し、色付きアクリル板を変形カット。
作品の背後から少しはみ出すように配置することで、まるで光の額縁のような効果が生まれます。

狙いは3つ

① 形状の強調
作品のアウトラインを一回り大きく縁取ることで、変形キャンバスの面白さがより際立ちます。

② 浮遊感の演出 
作品を壁から少し浮かせることで、壁に飾ったときに光が回り込み、まるで空中に浮いているような軽やかさが生まれます。

③ 光の装飾
今回使用したのはネオンオレンジ。カットした断面(小口)がネオンのように発光し、作品のポップな世界観と響き合います。


額装設計のこだわり

・作品の立体感を最大化する「厚み設計」
5mm厚の集光アクリルを選定。薄すぎず厚すぎない、光の屈折が最も美しいバランスを実現しています。

・大判変形カットへの対応力
通常の額装では断念されがちな変形・大型サイズにも対応できることが、私たちの強みです。

・断面仕上げの美しさ
カット面の滑らかさが、エッジの発光品質を左右します。荒い仕上げでは光が散乱してしまうため、鏡面に近い滑らかさで光の道筋を整えています。

「四角い箱に収める」という制約を外れて、どう作品の自由さを殺さずに拡張するか。

それが、額装家としての私の腕の見せ所でした。



3. アーティストから、お客様へ

この提案をマスダさんはご評価くださり、作品を購入されたお客様へ「こんな額装プランがあります」と、直接ご紹介くださいました。

結果、お客様にも喜んでいただき、今回のオーダーが実現しました。

納品後、壁に飾られた作品は「絵が飾られている」という以上の存在感を放っていました。

壁に落ちるイエローの影。  
見る角度によって変わる表情。  
光が作り出す、もうひとつの輪郭。

お客様がこの作品と過ごす時間がより豊かなものになっていれば、これほど嬉しいことはありません。


今回の仕様と価格の目安

作品サイズ: S8号相当(450×450mm)変形キャンバス
バックプレート:ネオンオレンジ(形状カスタム)
仕上げ: 壁掛け仕様・調整可能紐・紐通し金具付き
参考価格: 約25,000円〜(サイズ・形状により変動・税送料別)

※特注カット・設計費用を含む。Art Capsule(アクリルフレーム)本体は含みません
※Art Capsuleに入れることも可能ですが、今回は壁面装飾としての使用を優先しました

<参考>通常のバックプレート価格
Art Capsule専用バックプレート(S3用・SMキャンバス用):¥3,300 税込 
※規格サイズ・正方形/長方形のみ

4. 飾る楽しみを、唯一無二の形に



今回の事例は特注オーダーですが、Art Capsuleの可能性は無限大です。

ただ「額縁」という商品を売っているわけではありません。 

「どうすれば、その作品が一番輝くか?」 
「どうすれば、持ち主の方がもっと作品を愛せるか?」 
その問いに対する答えを、技術とアイデアで形にする。
——それが、私の仕事です。

こんな方は、ぜひご相談ください

✅変形キャンバスや立体作品を、より印象的に飾りたい作家さん
✅購入した作品を「特別に」装飾したいコレクターの方
✅Art Capsuleのバックプレートを、ボックスに入れずに使いたい方
✅「普通の額装じゃつまらない」と感じている方
✅ギャラリーやイベントで作品をより魅力的に見せたい方

規格品のバックプレート選びから、今回のようなフルオーダーの提案まで。

あなたと作品にとっての「正解」を、一緒に探しましょう。



多喜博子の額装は、作品のための「特注設計」です。

既製品では叶わない。  
でも、作品にはそれが必要だ。

そう感じたとき、私は設計図を引きます。  
作品と向き合い、最適解を導き出し、手を動かす。

額装という仕事の本質です。



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